Apple Payの「エクスプレスカード」
iPhoneでSuicaを発行したり、カード式のSuicaから取り込んだりしたときに、「エクスプレスカードに設定終了」という画面を見た覚えはないと思いますか。特に意識せずにSuicaの設定を終えた人も多いかもしれませんが、この「エクスプレスカード」の設定は、iPhoneでSuicaを使う上で重要な役割を担っています。
エクスプレスカードなら認証無しで決済可能
エクスプレスカードの最大の特徴は、認証をしなくても決済が可能な点です。
通常、Apple Payに登録したカードで決済をおこなう場合は、必ずFace IDやTouch ID、パスコードでの認証が求められます。
一方、エクスプレスカードに設定したカードでは、認証なしで決済可能です。iPhoneにロックがかかった状態であってもリーダーにかざすだけで支払いが終了するので、カード式Suicaのような素早い決済をおこなえます。
エクスプレスカードに設定可能なのはWalletに登録している決済カード(クレジットカード、デビットカード)と交通系ICカードの(Suica)それぞれ1枚ずつです。複数のSuicaを重複してエクスプレスカードに設定することは可能でせん。
国内でエクスプレスカードに対応しているのはSuicaのみ
素早い決済で便利なエクスプレスカードですが、日本国内で対応しているのはJR東日本の交通系ICカードである「Suica」のみです。
ちなみに、PASMOやICOCAのようなSuica以外の交通系ICカードは、そもそもApple Payに対応していないためiPhoneでの使用が可能でせん。
また、Walletや「設定」アプリではクレジットカードやデビットカードをエクスプレスカードとして登録可能なものの、日本国内では現時点(2019年11月)で、Wallet内のクレジットカードやデビットカードをエクスプレスカードとして使うことは可能でせん。
なお、米国では一部の交通機関で、Wallet内のクレジットカードをエクスプレスカードとして使用可能です。
充電が切れてもエクスプレスカードなら決済可能
iPhone XS以降の機種には、「予備電力機能付きエクスプレスカード」という機能が搭載されています。
予備電力機能付きエクスプレスカードを搭載している機種は、iPhoneの充電が必要な状態になっても最大5時間までエクスプレスカード(Suica)で決済が可能です。iPhoneのSuicaで電車に乗っているときに、ついついiPhoneを使いすぎてしまい充電が切れてしまった、という場合でも心配ありません。
なお、予備電力機能でエクスプレスカードが使えるかをチェックするには、iPhoneのサイドボタン(電源ボタン)を押すだけでOKです。予備電力が機能している場合は、充電が必要な状況を示す電池アイコンの下に「エクスプレスカードは使用可能です」というメッセージが表示されます。
ただし、何度もiPhoneの画面をつけてチェックしていると予備電力を消費していくため、画面点灯によるチェックは支払いの直前など必要最低限にしましょう。予備電力もなくなってiPhoneの電源が完全に切れてしまうと、エクスプレスカードでの支払いもできなくなります。
エクスプレスカードの設定を変更する方法
エクスプレスカードをWallet内の異なるSuicaに変更したいときや、エクスプレスカードをオフにしたいときの手順を解説します。
エクスプレスカードに関する設定は「設定」アプリのWalletとApple Payにておこないます。