【名作】ティーブン・キングの傑作小説「ミザリー」を紹介してみる【怖い】

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監禁と暴力と愛のクラシック

両足を骨折した作家ポールは「大ファン」を自称する女に監禁された。狂気に侵された女のもとから脱出することはできるのか——?
(アマゾンより引用)

「ファンに監禁されたらどうなるのか」という想像を掻き立てる

この小説はホラー小説の巨匠スティーブン・キングの傑作で、ストーリーは簡単に言うと、
小説家の主人公がファンの女性に監禁されるという内容となっています。
その主人公は超売れっ子で、「ミザリー」というシリーズの小説が彼の代表作、女性はそれの愛読者という設定です。
物語は主人公が雪山で遭難し、女性に救助されるという冒頭から始まる。冒頭から引き込まれます。
女性は元看護士で、主人公を彼女の家で手厚く看護します。初めは優しかった彼女、
主人公が「ミザリー」シリーズを終わらせようとしていることを知って、人が変わったように彼を虐待するのです。
その虐待シーンがとてつもなく恐ろしい。
彼が家から出ていけないように脚を骨折させる場面は「もし自分の大のファンに監禁されたら」という想像をさせて、震える。

作者は何を意図してこの小説を書いたのか考えさせるような物語

スティーブンキング先生も小説家だから、
もしかしたらこの作品のような展開になることを想像したことでもあるのではないかと思わせるような物語です。
作者のキング先生も数々のホラー作品で著名、
何本もの作品が映画化、ドラマ化している超売れっ子で、沢山のファンがいます。
そんな自分がもし熱狂的なファンに監禁され、
そのファンが凶器的な人物だったら自分はどうなってしまうのだろうということを、考えたことがあるんじゃないかな。
物語に出てくる女性ファンのような恐ろしい人物に捕まったら、自分はどう行動しようかなどと考えたのかもしれません。
そんな妄想を作者がしたのかどうか分からないけど、その具体的な設定と描写がそのように感じさせる傑作です。

恐ろしい虐待シーン、そして残るトラウマ

この小説の最も恐ろしいシーンは、主人公がファンの女性から虐待を受けるシーンです。
彼女は彼に、彼女のお気に入りの小説の最終回を彼女の望む展開で書くよう強制して、
彼が少しでも拒否する姿勢を見せるとあらゆる手を使って虐待します。
脚を折ったり、複雑骨折した脚に物を叩きつけたりと、まさに残酷。
彼は彼女から逃げようと、彼女が留守の間に作戦を練りますが、
彼女にその作戦がバレてしまい彼女が怒り狂う場面は、身の毛もよだつ恐ろしさです。
物語の終わりには彼は彼女の魔の手から脱出することが出来るのですが、
彼の心に残ったトラウマは酷く、
「もしかしたらまた彼女のようなファンに狙われているかもしれない」と思わせるよな意味深なメッセージが小説のラストには込められています。

まとめ

スティーブン・キング先生の作品はどれも秀作ぞろいで個人的に好きな作家ベスト10以内には入ります。
読んだことがない方はぜひ手に取って一度読んでみてほしい。