【おすすめ】角田光代先生の小説「紙の月」を紹介してみる【横領】

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わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。
彼女は、果たして逃げ切れるのか?あまりにもスリリングで狂おしいまでに切実な、角田光代、待望の長篇小説。
(アマゾンより引用)<<

1億円横領銀行員

銀行から1億円横領した女性のストーリーです。
宮沢えり主演で映画化もした問題作。


ちょっとした積み重ねや人生のねじれが主人公を「横領」に導いていきます。
横領したお金を何に使っていたかというと、若い男に貢いでいた。


気が付いたときには、もう取り返しのきかない状態に陥っていた主人公。
誰か、止めてくれる人はいなかったのか、何故そこまで男に貢いでしまったのか、
読んでいくにつれグイグイと引き込まれていくストーリーです。

冒頭のシーン‐逃亡


冒頭のシーンはタイのバンコクの安宿です。
主人公は、タイに高跳びして、警察の捜査から身を隠しています。
なにもかも捨てて日本を飛び出した主人公。


そして、主人公の日本の生活と横領の事件の話が淡々と続いていきます。
銀行員にならなければ、主人公は平凡な主婦で幸せな人生を歩んでいたのはと思いました。


でも、横領する危険性のある性格と過去だったので、他の職種でも何かしら過ちを犯してしまったかも。
主人公が若い愛人の気を引くため,
デパートで服や化粧品を買いまくる歯止めの効かなくなった姿に戦慄を覚えました。

まとめ

女性銀行員で男がらみで横領事件は昔はよくあった。
なんでそんなことを、馬鹿だなといつも思う。


この小説を読んで、横領する気持ちがなんとなくわかった気がする。

見つからなければと繰り返しているうちにどんどん額が大きくなってくる。
こんな簡単に会社のお金の使い込みや横領ができてしまうものなのか。
個人情報の大切さも思い知った。


中年女が若い男に溺れていく描写は鬼気迫るものがある。
自分の知らない世界を垣間見れて、勉強になる小説です。おススメ。