記憶を失った「僕」は、沖縄の密林で、故郷を捨てた昭光と出会う。
二人は名前を変えて新たな人生を歩もうとするが、
非情なヒエラルキーに支配された実社会に、安住の地は見つからない。
孤独、貧困、破滅の予感。逃げろ!何処へ?(アマゾンより引用)
漂流する若者たち
フリーター、ハケン、ホスト、リゾートバイトなど不安定な雇用条件で働く若者のたち。
主人公が最後に流れ着いたのは南国沖縄だったのです。
一見明るそうなストーリーですが、限りなく救いようがなく精神的に2,3日くる小説です。
未来がなく、低賃金で搾取される派遣社員の生活ぶりは想像を絶するものでした。
いったいどうすれば普通の生活を手にいれることができるのか、
一回、転ぶとやり直しの効かない世の中。
未来のない若者の青春を描いた衝撃の作品。
工場派遣の過酷さ
読んでいてきついなと思った章は、主人公が住み込み派遣で働くくだり。
搾取され、心身共に消耗して、最後にはもう死ぬしかないのかと思いつめる主人公。
リアルすぎて、このあたりでギブアップしそうになった。
、
主人公と対照的な明るい宮古島出身の青年がいることで、
読み進める元気をもらえた。
宮古島の青年は、馬鹿過ぎて、破滅の道を歩んでしまいます。
最後のシーンは穏やかだけど、読んでいて悲しくなってきました。
まとめ
主人公は、大学を辞めてフリーターになった時点から、破滅の道を歩み始めます。
休学などほかの手段はなかったのだろうかと。家庭の事情で辞めることはなかったんではないかと。
非正規雇用の増加が問題になっていますが、
この小説を読んで安易に非正規の道を歩んではいけないと思った。水商売の怖さも知りました。
精神的にきついシーンもあるけどすごい深い作品でおススメです。